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ブリュッセル観光|「The house of European history」でヨーロッパの歴史を学ぼう

ブリュッセルといえばビールとフリッツが定番ですが、ちょっとだけ足を伸ばすと欧州議会の施設が多く立ち並ぶ地区に行くことができます。実はこちらではヨーロッパと欧州議会の歴史を無料で学べる博物館があるのです。本記事では体験レポとアクセス、予約方法を解説していきます。

設立理念|EUとしての結束を深める

The House of European Historyは、各国の歴史の総和ではなく、ヨーロッパ大陸を「ヘリコプターからの視点」で捉え、ヨーロッパ的な視点から過去を展示することを通じて、EUとしての結束を深めることを理念としています。

2007年欧州議会においてヨーロッパの歴史をテーマとする博物館の設立が提案され、数年にわたる準備期間を経て、展示内容や運営体制が検討されました。その後、多くの歴史家や専門家が関わりベルギーのブリュッセつに開館、現在でも欧州議会が運営しています。

展示内容|1900年の動乱 in 欧州を中心に

常設展示は、ヨーロッパの歴史を、神話と発見、19世紀、20世紀、ヨーロッパの再構築という4つの主要なテーマに沿って紹介しています。

Shapping European

ヨーロッパのアイデンティティの形成に影響を与えたローマ帝国から産業革命、憲法や自由主義的な思想を広めたナポレオンなどなど現代のヨーロッパという地域がどのように形成されたのか(逆いえばどこまでがヨーロッパなのか)を理解できます。

ちなみに私が感動したのはナポレオン法典。ナポレオンは征服した各地で、後々の憲法のもととなるナポレオン法典を制定しました。これにより貴族制度が終焉を迎え、市民が政治に関わる自由主義的な考え方が広まったのです。

確かに世界史の授業では習ったのですが、こうして実物を見ることで本当にヨーロッパの発展の礎になったのだなと実感が湧きました。

Europe a Global Power

産業革命、帝国主義、大航海時代など、ヨーロッパ社会が大きく変化した19世紀の歴史を紹介する分野です。

Europe in Ruins
20世紀前半に起きた二つの世界大戦について当時の資料をもとに展示されています。

Rebuilding a Divided Continent

世界大戦後に続いて冷戦が勃発。鉄のカーテンによって分断されていた時期が紹介されています。どのように分断の歴史を乗り越えてきたのか思いを馳せられそうです。

こちらの写真は全体主義のもとでどのように情報操作が行われてきたのかを示すものです。是非上と下の間違え探しをしてみてください。ソ連では失脚した政治家は写真からも消されてしまうのです。。

Shattering Certainties

冷戦終了後の欧州統合についての展示です。

Europe Now

第二次世界大戦後のヨーロッパの復興、欧州統合の進展などを紹介。EU議員の顔写真も展示されており、各国から訪問した人たちが自国の政治家を探して熱心にみていました。


展示は、様々な資料(文書、写真、映像、音声など)で構成されていました。また、日常設展も行っているので、もしご興味があれば、そちらもみてみるといいかも!

建物|かつて動物園だった緑豊かな公園に設立

The House of European Historyはブリュッセルのヨーロッパ地区の中心、レオポルド公園内のイーストマンビルに位置しています。25エーカーの広さを持つこの公園は、かつての王立動物園の跡地に1880年に一般公開されました。

https://maps.app.goo.gl/qatbmscTMvfNzTV79(google mapからです。)



その後、アメリカの実業家であり慈善家、そしてコダックカメラの発明者であるジョージ・イーストマンの1931年の寄付によって資金提供され、恵まれない子供たちのための歯科診療所として建設されました。建設自体ははスイス人建築家ミシェル・ポラックによって1934年から1935年にかけて行われたそうです。その後、2008年に欧州議会によって99年間の長期リースで取得され、現在も運営されています。

歯科医院だったときの名残として待合室には、フランスの作家ジャン・ド・ラ・フォンテーヌの寓話に登場する動物たちのカラフルな絵画を飾ることで、若い利用者層を意識したデザインとなっていました。これらの絵画は改修の際に丁寧に修復され、現在ではすべての来館者が見ることができます。

アクセス|他の観光名所からも徒歩圏内

住所: Rue Belliard 135, 1040 Bruxelles, Belgium
公共交通機関: ブリュッセル中央駅から徒歩圏内

入場ゲートには空港形式の保安検査が採用されています。見た目はセキュリティが厳しそうですが、スタッフの方も優しく、大きめの手荷物があるとロッカーも案内してくれています。

その他|入場無料だけど予約は必須!

ブリュッセルの観光名所としては珍しいのですが、入場料は無料です。ちなみにその設立目的から展示言語はEU参加国の言語のみ。日本語はないので頑張って英語で説明を理解しましょう。

また入場無料ですが、公式HPからの予約は必須です。「Plan Visit」というところから簡単に予約が取れるのでご参考までにどうぞ〜

Visit | House of European History museum


The House of European Historyは、意外と奥深いヨーロッパの複雑な歴史を理解するための貴重な場所です。ヨーロッパ各国の根底にある歴史を多角的な視点から学ぶことで、現代欧州の課題に対する理解を深め、ヨーロッパでの人の考え方や未来を考えるヒントを得ることができるでしょう。